第76回日本体力医学会大会 「知の継承と共有」

日本体力医学会

プログラム

ライブ配信での各セッション演者の「発表データ」はオンデマンド配信にて視聴可能です(ただし、共催セミナー2及び共催セミナー3はライブ配信のみ)。また、オンデマンド配信では演者「発表データ」以外の、例えば座長の趣旨説明、各種挨拶、質疑応答、討論などの模様は配信されません。

大会長講演

「整形外科医からのスポーツ医学概論」

演者
加藤 公   (第76回日本体力医学会大会大会長/鈴鹿回生病院院長)
座長
鈴木 政登 (一般社団法人日本体力医学会理事長/東京慈恵会医科大学)

特別講演1

「活動支援ロボットの展開」

演者
才藤 栄一 (藤田医科大学 最高顧問)
座長
加藤 公   (鈴鹿回生病院院長)

特別講演2

「忍者の心身鍛錬と健康養生の方法」

演者
川上 仁一 (日本忍者協議会顧問(甲賀忍之伝宗師家))
座長
冨樫 健二 (三重大学教育学部)

教育講演1

「テレワーク時代におけるメディカルフィットネスの重要性」

演者
田中 喜代次 (筑波大学名誉教授(元 筑波大学体育系))
座長
重松 良祐   (中京大学スポーツ科学部)
概要
 COVID-19の世界的蔓延に伴い、外出や運動の機会が激減し、多くの国民の体力低下が危惧されている。本格的なテレワーク時代を迎えようとしている中、運動や食・栄養、睡眠、ストレス管理などが益々重要となる。本講演では、様々な基礎疾患を抱えた中高齢者を対象に、数十年にわたり運動・食事・メンタルケアを中心として指導した経験から得られた“メディカルフィットネスの理想”について述べる。

教育講演2

「海馬機能を高める運動ホルミシス効果:動物から人への橋渡し研究」

演者
征矢 英昭 (筑波大学体育系)
座長
鍋倉 淳一 (生理学研究所)

シンポジウム

1.「東京オリンピック・パラリンピックにおけるスポーツ科学が果たした役割」

座長
杉田 正明 (日本体育大学)
荻田 太   (鹿屋体育大学)
演者
平野 加奈子 (日本バドミントン協会)
平松 竜司   (東京大学)
久木留 毅   (ハイパフォーマンススポーツセンター・国立スポーツ科学センター)
シンポジウム概要
 東京オリンピック・パラリンピックにおける日本勢の活躍を支えたスポーツ科学の具体的な取り組みとその成果を共有する機会とする。
 競技関係者(指導者、選手)とそれを支えた研究者からそのプロセスを含めた具体的な取り組みなどの情報提供とディスカッションを通してスポーツ科学が果たした役割と貢献についてを理解するとともに今後の競技力向上に向けての理解を深める場としたい。

2.「身体活動ガイドライン改定の方向性と内容」

座長
井上 茂   (東京医科大学)
小熊 祐子 (慶應義塾大学)
演者
丸藤 祐子 (駿河台大学)
岡 浩一朗 (早稲田大学)
井上 茂   (東京医科大学)
小熊 祐子 (慶應義塾大学)
澤田 亨   (早稲田大学)
中田 由夫 (筑波大学)
宮地 元彦 (早稲田大学)
桑原 恵介 (国立国際医療研究センター/帝京大学)
シンポジウム概要
 厚生労働省は、「国民健康づくり運動」における身体活動分野のガイドラインである「健康づくりのための身体活動基準2013」および「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」の改定を予定している。本シンポジウムは、ガイドライン改定に取り組んでいる厚労科研研究班のメンバーから、身体活動ガイドライン改定の方向や内容を紹介させていただき、会員の皆様と新しい身体活動ガイドラインについて議論する機会としたい。

3.「安全な運動処方の開発を目指して-運動時の循環調節異常を病態から紐解く」

座長
水野 正樹 (テキサス大学 サウスウェスタン医学センター)
木場 智史 (鳥取大学 医学部 統合生理学分野)
演者
篠原 啓介 (九州大学 循環器内科学)
木場 智史 (鳥取大学 医学部 統合生理学分野)
石澤 里枝 (テキサス大学 サウスウェスタン医学センター)
柴田 茂貴 (杏林大学 保健学部)
シンポジウム概要
運動療法は生活習慣病の予防ならびに治療に有効である。また、超高齢社会の本邦において、健康寿命の延長は最大の課題であり、身体運動がその根幹をなすことは言うまでもない。一方で、高血圧、慢性心不全、糖尿病といった各種病態は運動時の循環応答を増強することが知られている。さらに、加齢による動脈硬化は運動に対する血圧応答を余剰にする。これら過剰な循環応答は運動処方のコンプライアンスを下げ、運動処方の質と量を制限するが、その機序は不明である。したがって、運動時における循環調節異常を惹起するメカニズムを明らかにする事は、学術的のみならず臨床的にも極めて重要な課題であると言えよう。そこで、本シンポジウムでは、安全な運動処方の開発を目指し、各種病態ならびに加齢研究のスペシャリストを集め[高血圧(篠原)、心不全(木場)、糖尿病(石澤)、加齢(柴田)]、運動時における循環調節機構の変容機序について総合的に議論する。なお、演者は基礎研究2名、臨床にも精通している医師・研究者2名から構成される点が本シンポジウムの特色である。

4.「体力・健康科学における骨格筋ミトコンドリアの意義を再考する」

座長
江島 弘晃 (長崎国際大学)
演者
熊谷 仁   (The University of Southern California)
江島 弘晃 (長崎国際大学)
関根 紀子 (放送大学)
田村 優樹 (日本体育大学)
シンポジウム概要
運動によって呼応する筋細胞内のミトコンドリアは、その増減が持久能の向上に大きく寄与している。しかし、ミトコンドリアはスポーツパフォーマンスや健康科学の観点から古来より研究対象とされてきたものの、運動時のエネルギー代謝の中枢を担う意義やその実体は未だに掴めていない。本シンポジウムでは新進気鋭の基礎研究者を迎え議論を深めることで、運動生理学における筋ミトコンドリアの本質を今一度再考する。

5.「オンライン社会における運動疫学研究の展開:コロナ禍を契機として」

座長
清野 諭   (東京都健康長寿医療センター研究所)
甲斐 裕子 (公財・明治安田厚生事業団体力医学研究所、日本運動疫学会公式声明委員会委員長)
演者
井上 茂   (東京医科大学公衆衛生学分野)
甲斐 裕子 (公財・明治安田厚生事業団体力医学研究所、日本運動疫学会公式声明委員会委員長)
重松 良祐 (中京大学 スポーツ科学部)
塩谷 竜之介 (千葉大学 予防医学センター)
シンポジウム概要
コロナ禍では、外出・移動・対面接触機会の減少とICT利用機会の増加によって、社会のオンライン化が一層加速した。これは新たな課題が出現したというよりも、来るべき未来の到来が早まったと考える方が妥当であろう。また、研究方法も、従来の対面形式だけでなく、オンラインを併用したものへと変化している。本シンポジウムでは、これらの現状を共有し、今後の運動疫学研究の方向性や課題を探索する。

6.「非侵襲的な手法により生体組織の特性や運動適応を探る 〜高齢者からアスリートまでを見据えて〜」

座長
秋間 広   (名古屋大学 総合保健体育科学センター)
吉子 彰人 (中京大学 教養教育研究院)
演者
菅原 順   (国立研究開発法人 産業技術総合研究所)
吉子 彰人 (中京大学 教養教育研究院)
安藤 良介 (国立スポーツ科学センター)
谷口 圭吾 (札幌医科大学 保健医療学部理学療法学科)
シンポジウム概要
本シンポジウムでは磁気共鳴映像法・分光法や剪断波エラストグラフィーを含む超音波断層法などの非侵襲的手法を用いて、ヒト生体組織の特性や運動適応などについて議論する。4名のシンポジストが様々な非侵襲的手法を用いて、動脈、骨格筋、腱・結合組織あるいは脂肪組織の性質や運動適応等について議論するものである。循環系・筋骨格系の基礎から高齢者の運動介入までの幅広い視野に立ち、オーディエンスに有意義な情報を提供できるものと考えている。

7.「筋トレの疫学」

座長
門間 陽樹 (東北大学 大学院医学系研究科)
本田 貴紀 (九州大学 大学院医学研究院)
演者
谷本 道哉   (近畿大学 生物理工学部)
門間 陽樹   (東北大学 大学院医学系研究科)
川上 諒子   (早稲田大学 スポーツ科学学術院)
本田 貴紀   (九州大学 大学院医学研究院)
シンポジウム概要
筋力トレーニング(筋トレ)に関する疫学研究は、近年、運動疫学分野の新たな分野として注目されている。筋トレを行うと筋機能や骨強度が改善することはよく知られているが、死亡リスクや非感染性疾患の罹患リスクの低減に寄与するのかについては、疫学研究による検討が必要である。本シンポジウムでは、筋トレに関する総論やガイドラインの歴史に加え、筋トレの疫学研究、日本の筋トレに関する疫学研究の現状と課題について講演する予定である。外出自粛等の影響もあり、メディアでも筋トレは多く取り上げられていることを考えると、絶好の機会だと考えている。

8.「女性アスリートの競技力向上に資する最新のコンディショニング戦略」

座長
後藤 一成   (立命館大学)
松生 香里   (川崎医療福祉大学)
演者
須永 美歌子 (日本体育大学)
松生 香里   (川崎医療福祉大学)
石橋 彩     (日本学術振興会・特別研究員PD 東京大学大学院総合文化研究科)
後藤 一成   (立命館大学)
シンポジウム概要
アスリートでは、適切な栄養摂取によってトレーニングに伴う疲労の回復を促し、コンディションを良好に維持することがきわめて重要となる。特に、女性アスリートでは、月経の影響、貧血や鉄欠乏の回避など、コンディション維持において留意すべき点が多い。本シンポジウムでは、「月経周期」「腸内細菌叢」「鉄欠乏」の観点から、特に、女性アスリートの競技力向上に資するコンディショニングに関わる最新の研究成果を共有したい。

9.「身体活動と代謝の最新研究からみる代謝性疾患の予防」

座長
宮下 政司 (早稲田大学 スポーツ科学学術院)
演者
畑本 陽一 (国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所)
髙橋 将記 (東京工業大学 リベラルアーツ研究教育院)
永山 千尋 (早稲田大学 スポーツ科学研究科)
シンポジウム概要
WHOなど最新の身体活動指針から一回あたりの最低の活動時間が排除され、日常生活の中で身体を動かす機会を増やす重要性も加味されるようになった。この動向に対し、代謝の視点から「身体活動の頻度、生体リズムとの関連から身体活動や食事のタイミング、自由行動下における身体活動介入」などを交えた新たな切り口から精力的に取り組む新進気鋭の研究者を迎え、「身体活動による代謝研究」について、包括的な議論を行いたい。

10.「卓越研究員企画:若手研究者による骨格筋の分子生物学-基礎から臨床まで-」

座長
北嶋 康雄 (広島大学 大学院医系科学研究科・文部科学省卓越研究員)
藤田 諒   (筑波大学トランスボーダー医学研究センター・文部科学省卓越研究員)
演者
藤田 諒     (筑波大学トランスボーダー医学研究センター・文部科学省卓越研究員)
常陸 圭介   (藤田医科大学 総合医科学研究所 難病治療学研究部門)
北嶋 康雄   (広島大学 大学院医系科学研究科・文部科学省卓越研究員)
江口 貴大   (東京大学 医科学研究所)
林地 のぞみ (順天堂大学 大学院 ゲノム再生医療センター)
鈴木 直輝   (東北大学病院)
シンポジウム概要
骨格筋は人体で最も大きな臓器であり、様々な身体活動には欠かせない。また、運動や疾患などにより、大きさが変わるように可塑性に富んでいることも特徴である。本シンポジウムは、骨格筋分野で精力的に研究・臨床を行っている若手研究者で構成した。骨格筋の基礎から臨床までのそれぞれの最新の知見を共有しながら、今後の骨格筋研究の新展開について議論したい。

11.「運動による脳機能の向上と、神経修飾物質を介した脳機能調節メカニズム」

座長
七五三木 聡 (大阪大学 全学教育推進機構・大阪大学 大学院医学系研究科)
角田 圭輔   (大阪大学 全学教育推進機構・京都大学 大学院医学研究科)
演者
安藤 創一   (電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
小見山 高明 (大阪大学 全学教育推進機構)
角田 圭輔   (大阪大学 全学教育推進機構・京都大学 大学院医学研究科)
シンポジウム概要
脳の情報処理は生理状態(運動時/安静時)や精神状態に応じて刻々と変化する。脳機能を調節する要因として “運動”に着目した研究が近年多く行われているが、その脳機能調節機構の全貌は依然として明らかでない。今回のシンポジウムでは、一過性の運動による脳機能調節の要因として、ドーパミン、ノルアドレナリンといった神経修飾物質に着目し、実験動物からヒトレベルまでの最新の研究成果について紹介する。

12.「コロナ渦から学ぶ健康管理とコンディショニング」

座長
宮川 俊平 (筑波大学 医学医療系)
赤間 高雄 (早稲田大学 スポーツ科学学術院)
演者
赤間 高雄 (早稲田大学 スポーツ科学学術院)
絹笠 友則 (いちはら病院 整形外科)
長尾 雅史 (順天堂大学 スポーツ健康科学科)
渡部 厚一 (筑波大学体育系)
鈴木 克彦 (早稲田大学 スポーツ科学学術院)
シンポジウム概要
コロナ渦でスポーツ活動を行うために必要な健康管理とコンディショニングについて、コロナ渦でのオリ・パラ競技の医療対応について赤間高雄先生から、免疫機能向上の観点から早稲田大学鈴木克彦先生に、6ヶ月に渡る長期のリーグ戦における選手対応を関東大学サッカー連盟医学委員長である絹笠友則先生から、その中での選手の心理状態について順天堂大学の長尾雅史先生から、最後にコロナ渦での呼吸器対策を筑波大学体育系渡部厚一先生に講演をして頂き、コロナだけでなく今後の感染症対策について指針を模索する。

13.「女性アスリートのコンディショニング -本邦における女性アスリートの栄養問題はなぜ改善されないのか?-」

座長
室伏 由佳 (順天堂大学スポーツ健康科学部 講師)
演者
研究者の立場から/相澤 勝治   (専修大学スポーツ研究所 教授)
指導者の立場から/岡田 千詠子 (NSCAジャパン認定マスターコーチ/女性S&C委員会委員長)
メディアの立場から/長島 恭子 (編集・ライター)
共催
第 76 回日本体力医学会大会
大塚製薬株式会社
シンポジウム概要
2017 年の「国民健康・栄養調査」によると,20~50 歳 代の女性の「やせ者」(BMI < 18.5)の割合は,全年代平 均で約10%,20歳代に限ると約20%と 5 人に 1 人が栄 養不足の状態である.最新の研究では,運動や食事量が 不足している痩せた若年女性には食後高血糖となる耐糖 能異常が多く,主に肥満者に生じるインスリン抵抗性や 脂肪組織異常との関連が認められている.栄養不足は骨 粗しょう症や月経不順といった本人の健康被害を引き起 こすだけでなく,妊娠時には胎児にも悪影響を及ぼすなど,低体重で生まれた新生児と 2 型糖尿病や心筋梗塞, 高血圧の発症リスクとの相関が認められたという報告も ある. 栄養不足に陥る女性の顕著な例として過度な食事制限 を行うアスリートが挙げられる.国立スポーツ科学セン ターにおいて国内トップレベルの女性アスリート 683 名 を対象に実施したアンケート調査結果では,無月経を含 む月経周期異常のあるアスリートが約 40 % を占めていたにもかかわらず,警鐘を促すエビデンスや月経をポジティブに捉える環境が十分といえず,一般社会だけではなくスポーツ界においても改善に向けた取り組み不足が指摘されている.
 本シンポジウムでは研究結果や事例を交えながら,女性アスリートの栄養不足問題の実態を明らかにし,アスリート本人だけでなく指導者をはじめとしたアスリートをサポートする人たちにどのような課題があるのか,選手の健康リテラシー向上のためにどのような取り組みが行われているのかを紹介する.また,後半のディスカッションでは,それぞれの専門家の立場から,本邦において女性アスリートの栄養問題が改善しない理由について再考し,栄養改善と競技力向上を同時に行っていくために,スポーツ現場でどのような研究が求められているのか,またその研究をスポーツ現場へどのように発信していけば良いのかなどについて議論する.

14.「交通行動データの活用:体力医学分野への展開」

座長
阿部 巧        (東京都健康長寿医療センター, Swinburne University of Technology)
杉山 岳巳       (Swinburne University of Technology, Baker Heart & Diabetes Institute)
演者
阿部 巧        (東京都健康長寿医療センター, Swinburne University of Technology)
久保田 晃生      (東海大学)
Manoj Chandrabose (Swinburne University of Technology)
杉山 岳巳       (Swinburne University of Technology)
シンポジウム概要
トラベルサーベイ(日本ではパーソントリップ調査と呼ばれる)データは、人々の交通行動を知るための貴重な情報である。これまで、交通行動データは主に交通計画の分野において活用されてきたが、徒歩や自転車、自動車の利用等が含まれていることから、身体活動(予防医学)分野の研究においても活用可能である。本シンポジウムでは、日本およびオーストラリアにおける研究を中心に紹介し、今後の研究の方向性についても議論する。

15.「本邦におけるHIIT研究(その有益性と留意点)」

座長
田中 喜代次 (筑波大学)
松尾 知明   (労働安全衛生総合研究所・宇宙航空研究開発機構)
演者
田畑 泉     (立命館大学 スポーツ健康科学部)
松尾 知明   (労働安全衛生総合研究所・宇宙航空研究開発機構)
増木 静江   (信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学・バイオメディカル研究所・NPO法人熟年体育大学リサーチセンター)
シンポジウム概要
High-intensity interval training (HIIT)に関する研究が国際的に盛況である。最近の研究の特徴は、HIITをアスリート限定のトレーニング法ではなく、誰もが実践可能な健康運動と扱っている点である。本シンポジウムでは、本邦におけるユニークなHIIT研究(タバタプロトコル、インターバル速歩、J-HIATなど)の成果を紹介し、健康運動としてのHIITの実践例や留意点を検討する。

16.「トレーニング効果を高めるチームづくりとは: 新型コロナウィルス禍での取り組みから得られた「知」の共有」

座長
下河内 洋平 (大阪体育大学 大学院スポーツ科学研究科 体育学部)
寺田 昌史   (立命館大学 スポーツ健康科学部)
演者
栗原 俊之   (立命館大学 総合科学技術研究機構・スポーツ健康科学部)
笹壁 和佳奈 (大阪体育大学)
沼澤 俊     (一般財団法人 大阪府バスケットボール協会 医科学委員会)
三井 みのり (大阪体育大学 大学院スポーツ科学研究科)
シンポジウム概要
新型コロナウイルス感染症へのあらゆる対策が講じられたことにより、アスリートにおけるメンタルヘルスやパフォーマンス低下が問題となっていることが報告されている。本シンポジウムでは、新型コロナウイルス感染症への対策によるメンタルヘルスとパフォーマンスの損失を最小限に抑えるために取り組んだ研究と現場での事例について紹介し、スポーツ心理学、トレーニング科学、およびスポーツ医科学的な見地から情報通信技術を活用したアスリートが継続的かつ計画的にトレーニングが実施できる環境の構築およびトレーニングや練習の効果を効率的に生み出すチームマネジメントについての討論を展開する。本シンポジウムで紹介する研究成果および事例報告において得られた知見の共有を通じて、アスリートが常に健康な状態で練習や試合に臨める状況を構築することが可能となり、様々な環境下においてもアスリートの育成・強化の推進を図られることが期待される。

17.「多彩なマイオカインが織り成す運動効果の分子基盤」

座長
古市 泰郎 (東京都立大学 人間健康科学研究科)
小野 悠介 (熊本大学 発生医学研究所 筋発生再生分野)
演者
古市 泰郎 (東京都立大学 人間健康科学研究科)
岩部 真人 (東京大学 大学院医学系研究科 糖尿病・代謝内科)
大内 乗有 (名古屋大学 大学院医学系研究科 分子循環器医学講座)
橋本 健志 (立命館大学 スポーツ健康科学部 スポーツ健康科学研究科)
小野 悠介 (熊本大学 発生医学研究所 筋発生再生分野)
シンポジウム概要
運動が全身に健康効果を生み出す機序の1つにマイオカイン仮説がある。運動すると骨格筋から生理活性因子(総称:マイオカイン)が分泌され、それが血流を介して全身の組織や臓器に効能を発揮するというアイデアである。マイオカインの概念が提唱され20年以上が経った今でもこの分野は進化し続けており、概念自体も変わりつつある。本シンポジウムでは、多彩なマイオカインの最新知見を紹介し、未来の健康科学について議論したい。

18.「海女に学ぶ環境・運動生理学:基礎から臨床まで」

座長
菅原 順   (国立研究開発法人 産業技術総合研究所・筑波大学体育系)
演者
菅原 順   (国立研究開発法人 産業技術総合研究所・筑波大学体育系)
平澤 愛   (杏林大学 保健学部)
宮本 忠吉 (大阪産業大学 スポーツ健康学部)
小河 繁彦 (東洋大学 理工学部)
シンポジウム概要
「海女」は万葉集にも歌われる日本古来の文化である。その特徴は素潜り漁という身体活動様式にある。水中環境や無呼吸といった刺激への慢性暴露は様々な生理機能の適応をもたらす。本提案では、水中運動、低酸素、睡眠時無呼吸等にフォーカスを当て、環境・運動生理学、臨床生理学的内容に関する最新知見を概説する。競技パフォーマンスや予防医学等、様々な研究領域に重要な示唆を与えうると考えられる。

19.「学際研究から挑む歩行姿勢制御機構の解明:地域保健・臨床応用を見据えた研究」

座長
桜井 良太 (東京都健康長寿医療センター研究所)
進矢 正宏 (広島大学 大学院人間社会科学研究科)
演者
樋口 貴広 (東京都立大学 人間健康科学研究科)
横山 光   (東京大学 大学院総合文化研究科)
冨田 洋介 (高崎健康福祉大学 保健医療学部 理学療法学科)
萬井 太規 (大分大学 福祉健康科学部理学療法コース)
シンポジウム概要
歩行姿勢制御機能は、我々の生活を支える重要なヒトの機能であり、加齢および様々な疾病により影響を受け、その低下は二次傷害や疾病からの回復を妨げる要因となる。そのため、その理解と知見の社会還元が極めて重要となる。本シンポジウムでは、認知心理学、神経科学、バイオメカニクス、リハビリテーション科学それぞれの分野の最新の研究成果を通じて、当該領域の知見の整理と今後求められる研究について明らかにしていく。

20.「身体活動推進政策の認知度と政策展開」

座長
種田 行男 (中京大学)
小熊 祐子 (慶應義塾大学)
演者
原田 和弘 (神戸大学 大学院人間発達環境学研究科)
田島 敬之 (東京都立大学)
武田 典子 (工学院大学)
齋藤 義信 (神奈川県立保健福祉大学・慶應義塾大学)
シンポジウム概要
国民の健康の保持・増進を目的として、さまざまな省庁が身体活動推進政策を展開している。身体活動推進政策が国民の健康に寄与するためには、当該政策が広く国民や行政職員、ステークホルダーに認知されることが重要である。本シンポジウムでは身体活動推進政策の認知度調査の結果を報告するとともに、現行の政策を受けて実施されている自治体の取り組みを紹介し、本テーマについて会場のみなさんと意見交換したいと考えている。

21.「オリンピック・パラリンピックと身体活動政策:これまでとこれからの意義」

座長
井上 茂   (東京医科大学 公衆衛生学分野)
重松 良祐 (中京大学 スポーツ科学部)
演者
小熊 祐子 (慶應義塾大学 スポーツ医学研究センター・大学院健康マネジメント研究科)
鎌田 真光 (東京大学 大学院医学系研究科 公共健康医学専攻 健康教育・社会学分野)
塩田 琴美 (慶應義塾大学 総合政策学部)
天笠 志保 (東京医科大学 公衆衛生学分野)
シンポジウム概要
オリンピック・パラリンピックの開催にあたっては、国民の身体活動の促進を含む様々なレガシーが期待されてきた。本企画では、東京1964大会を契機に進んだ身体活動政策およびサーベイランスの変遷を概観するとともに、オリパラと国民の身体活動・スポーツ実践のレガシーについて世界の最新エビデンスやWHOの動向等を踏まえて議論する。開催可否に関わらず、東京2020大会とその軌跡をどうレガシー、未来へとつなげるべきか考えたい。

22.「骨格筋内外における環境への適応と異常」

座長
高田 真吾 (北翔大学 生涯スポーツ学部 スポーツ教育学科)
宮崎 充功 (広島大学 大学院医系科学研究科 生理機能情報科学)
演者
宮崎 充功 (広島大学 大学院医系科学研究科 生理機能情報科学)
山口 良文 (北海道大学 低温科学研究所 冬眠代謝生理発達分野)
北嶋 康雄 (広島大学 大学院医系科学研究科)
高木 領   (日本学術振興会特別研究員PD 電気通信大学大学院 情報理工学研究科)
高田 真吾 (北翔大学 生涯スポーツ学部 スポーツ教育学科)
シンポジウム概要
骨格筋機能の低下は健康寿命を短縮する主要因となる。その原因として骨格筋内外の環境変化(線維化、肥大・萎縮、筋温度、代謝、細胞死)が考えられる。それらに対する適応・異常およびその意義を議論することは、現場の運動指導者の骨格筋の知識や理解を深める機会となる。本シンポジウムでは、骨格筋の適応・異常について最前線で活躍している研究者が最新エビデンスを分かりやすく概説する。

23.「発達障がいのある人のフィットネス-発達障がいの特性の理解に向けて -」

座長
永富 良一
 (日本体力医学会 理事・渉外委員会委員長・東北大学 大学院医工学研究科 健康維持増進医工学分野)
演者
広沢 正孝 (順天堂大学 スポーツ健康科学部)
永浜 明子 (立命館大学 スポーツ健康科学部)
Aju      (発達障がい当事者)
シンポジウム概要
日本体力医学会は、体力ならびにスポーツ医科学の研究の進歩、発展を促進するとともにその成果の活用することをミッションとしています。体力≈フィットネスは健康・不健康者と問わず生きるために必要な要素です。身体活動や運動はフィットネス維持に必要ですが、身体にはなんら支障はなく運動が嫌いでもないのに他者との関係において運動を行うことに多くの困難をかかえている人たちがいます。このシンポジウムではその中でも自閉症スペクトラム・発達障がいとされている人たちのフィットネスについて考えます。シンポジウムではまず医学からみた発達障がいについて順天堂大学スポーツ健康科学部の広沢正孝先生にご紹介いただきます。続いて、「発達障がい」に教育の立ち場で向かいあっている立命館大学永浜明子先生と、ご自身「発達障がい」の当事者であるアーティストのAjuさんに発達障がいの特性を紹介していただくことによって、社会においてどのように「特性」を理解し、インクルーシブな社会に向かっていったらよいか、個人と社会の「フィットネス」について考えてきたいと思います。

24.「コロナ禍におけるスポーツ選手のコンディショニング」

座長
山本 利春   (国際武道大学体育学部 大学院)
演者
浦山 真吾   (クボタスピアーズ)
笠原 政志   (国際武道大学)
佐々木 智徳 (医療法人MSMCみどりクリニック)
シンポジウム概要
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、スポーツ現場では感染対策を考慮した対応が不可欠となっている。コロナ禍の中、どのように選手のコンディショニングをすればよいのかは今後のスポーツ医科学領域の重要な課題である。本シンポジウムでは、トップアスリートチーム、大学スポーツ、地域・医療機関においてスポーツ選手の医科学サポートを実施してきた専門家の方々から、コロナ禍におけるスポーツ選手のコンディション管理について情報提供頂き、その課題について議論したい。

25.「筋恒常性維持における抗酸化機構の役割を考える」

座長
藤巻 慎 (熊本大学 発生医学研究所 筋発生再生分野)
北岡 祐 (神奈川大学 人間科学部)
演者
北岡 祐   (神奈川大学 人間科学部)
奥津 光晴 (名古屋市立大学 大学院理学研究科)
清水 孝彦 (国立長寿医療研究センター 老化ストレス応答研究PT)
前田 仁志 (熊本大学 薬学部 薬剤学分野)
シンポジウム概要
加齢や慢性疾患に伴う骨格筋内の酸化ストレス増大は、筋萎縮の一因と考えられている。したがって、骨格筋における抗酸化機構の役割を解明することは、筋萎縮の予防・治療方策を講じる上で極めて重要である。本シンポジウムでは、それぞれ異なるアプローチで抗酸化応答を研究する4名の研究者に、最新知見を含めた研究成果を発表していただき、筋恒常性維持に関わる抗酸化の分子基盤とその応用性について議論する。

26.「次世代を担う新たな日本のための包括的なスポーツ傷害予防戦略: パフォーマンス向上とスポーツ傷害予防の両立を目指して」

座長
栗原 俊之   (立命館大学 総合科学技術研究機構)
下河内 洋平 (大阪体育大学)
演者
峯田 晋史郎 (大阪体育大学 体育学部)
笹壁 和佳奈 (大阪体育大学)
沼澤 俊     (一般財団法人 大阪府バスケットボール協会 医科学委員会)
寺田 昌史   (立命館大学 スポーツ健康科学部)
シンポジウム概要
ジュニア期におけるアスリートのスポーツ外傷・障害予防は、 アスリートが継続的かつ計画的にトレーニングが実施できる環境の構築および常に心身共に健康な状態で練習や試合に臨める状況を生み出す上で重要であり、シニア期のアスリート競技力向上にも直結する。 本シンポジウムでは、 ジュニア期におけるスポーツ外傷・障害予防にむけて取り組んだ研究と現場での症例・活動について紹介し、スポーツ健康科学およびスポーツ医科学的な見地からスポーツ外傷・障害予防とパフォーマンス向上を両立した戦略についての討論を展開する。本シンポジウムで紹介する研究および症例報告において得られた知見は、次世代を担うジュニア層のアスリートの競技力だけではなく、健康の維持増進にも活用できることが期待される。

27.「オミクス解析と健康・運動科学」

座長
星野 太佑 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
三浦 進司 (静岡県立大学 食品栄養科学部)
演者
星野 太佑     (電気通信大学 大学院情報理工学研究科)
宮本 (三上) 恵里 (順天堂大学 スポーツ健康科学部)
三浦 進司     (静岡県立大学 食品栄養科学部)
幡野 敦      (新潟大学 大学院医歯学総合研究科)
シンポジウム概要
昨今、次世代シークエンサーや質量分析などの技術発達により、様々な分子や物質を網羅的に測定できるようになってきた。多くのデータは取得できるが、オミクスデータを解析し、意義のある解釈をおこなうことは容易ではない。そこで、本シンポジウムでは、オミクス解析の基礎から実際まで各専門分野の先生に発表していただく。オミクス解析に関する知識を学会員で共有し、健康・運動科学にどのように活かすか議論することが目的である。

28.「運動・スポーツと脳 ―文武両道は成り立つのか?―」

座長
紙上 敬太 (中京大学 教養教育研究院)
石原 暢   (神戸大学 大学院人間発達環境学研究科)
演者
紙上 敬太 (中京大学 教養教育研究院)
鳥取 伸彬 (立命館大学 総合科学技術研究機構)
喜屋武 享 (神戸大学 大学院人間発達環境学研究科)
石原 暢   (神戸大学 大学院人間発達環境学研究科)
シンポジウム概要
近年、医学部を目指す日本代表選手など、いわゆる文武両道を実現しているスポーツ選手が注目を集めている。このようなスポーツ選手は、天から二物を与えられた特別な人たちなのだろうか?運動・スポーツと脳の関係を探る研究は、ここ10年間でブームを迎えており、その関係が徐々に明らかにされてきている。本シンポジウムでは、運動・スポーツと脳の関係に関する最新の知見を紹介し、「文武両道は成り立つのか?」を議論する。

29.「運動が皮膚に与える影響」

座長
林 直亨 (早稲田大学 スポーツ科学学術院)
枝 伸彦 (獨協医科大学 基盤教育部門)
演者
白土 真紀 (株式会社資生堂 みらい開発研究所)
林 直亨   (早稲田大学 スポーツ科学学術院)
石塚 洋典 (大阪大学 医学系研究科)
枝 伸彦   (獨協医科大学 基盤教育部門)
シンポジウム概要
運動が生活の質を高める手段として認識されつつある。皮膚や美容にも影響を与えるように一般には思われているものの論拠は希薄であり、運動そのものや屋外での運動時に避けられない日光が皮膚に与える影響については、ほとんど研究が進んでいない。本シンポジウムでは,運動が皮膚に与える影響について、外部からの刺激(機械的刺激など)および身体内部の調節系(循環系、免疫系)の両者の観点から研究動向を紹介したい。

30.「骨格筋の量と機能を制御する分子機構とスポーツ科学への応用」

座長
永富 良一   (東北大学 大学院医学系研究科・医工学研究科)
奥津 光晴   (名古屋市立大学 大学院理学研究科)
演者
小笠原 理紀 (名古屋工業大学生命・応用化学専攻)
宮崎 充功   (広島大学 大学院医系科学研究科 生理機能情報科学)
長名 シオン (東北大学 大学院医工学研究科 健康維持増進医工学分野)
奥津 光晴   (名古屋市立大学 大学院理学研究科)
シンポジウム概要
運動は骨格筋の恒常性を調節し、疾患や加齢による骨格筋の量と機能の悪化を抑制する。しかしながら、この分子メカニズムは未だ不明な点が多い。本シンポジウムでは、骨格筋の量と機能を制御する筋細胞内の分子機構をgain of functionやloss of functionを用いて解明した最新の研究成果を紹介し、運動が骨格筋の量と機能を維持する新たな分子メカニズムと健康科学やスポーツ科学への応用の可能性を紹介する。

31.「世代別の座位行動の健康課題とその対策:COVID-19を超えて」

座長
甲斐 裕子 (公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所)
柴田 愛   (筑波大学体育系)
演者
石井 香織 (早稲田大学 スポーツ科学学術院)
北濃 成樹 (公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所)
安永 明智 (文化学園大学 国際文化学部)
シンポジウム概要
座位時間が長いと、糖尿病やがん、総死亡のリスクを増加させると報告されている。さらに、COVID-19の蔓延によって世界的に座位時間が増加しており、当面はこの影響が続くことが見込まれる。座位行動の状況は世代によって違いがある。そこで、本シンポジウムではCOVID-19の影響も踏まえたうえで、世代別(子ども、勤労者、高齢者)の座位行動の実態と健康課題を整理し、今こそ求められる社会全体での座位行動対策について論じたい。

共催セミナー

1.「暑熱順化を有効に活用するための方策」

演者
岡崎 和伸 (大阪市立大学 都市健康・スポーツ研究センター・大阪市立大学 健康科学イノベーションセンター・大阪市立大学大学院医学研究科 運動環境生理学)
概要
今夏の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、各種競技において、また、観客等に対して様々な暑熱対策が講じられてきた。本セミナーでは、特に、事前に暑さに馴れる「暑熱順化」について、ヒトWhole bodyを対象とした研究からこれまでに明らかになってきた知識について概説し、暑熱環境下における運動の条件について、また、血漿量の増加について提示する。これらを踏まえて、暑熱順化を有効に活用するための方策について考察する。
協賛:大塚製薬株式会社

2.「東京 2020 における手のひら冷却を用いた暑熱対策について」ライブ配信限定

演者
杉田 正明 (日本体育大学)
協賛:セリスタ株式会社

3.「骨粗鬆症治療薬の過去,現在,未来」ライブ配信限定

演者
湏藤 啓広 (三重大学大学院医学系研究科科長・医学部長,運動器外科学・腫瘍集学治療学教授)
座長
加藤 公   (鈴鹿回生病院院長)
協賛:旭化成ファーマ株式会社

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